「生まれる場所さえ違えば意外と名君だった?カリオストロ伯爵の再評価について」、『ルパン三世 カリオストロの城』(監督:宮崎駿)

この記事の所要時間: 346

この記事の所要時間: 約 3分46秒 【注意】この話は「ルパン三世 カリオストロの城」のストーリーを知っていることを前提にしています。 当然のようにネタバレが含まれますので、見たくない方はすぐにこのページを閉じてください…

「人類と娘、あるいはトウモロコシ畑と宇宙の話。」、映画『インターステラー』(監督:クリストファー・ノーラン)

この記事の所要時間: 452

この記事の所要時間: 約 4分52秒 ※SF的な要素の分析はネット上にも散見されるので、ここでは備忘録的なレビューを書いておきます。ちなみに、ネタバレありまくるので、まだ観ていない人はご注意を。 1.黄昏時の人類、その最…

「自らのルーツと生命の連鎖が交わる場所」、『2つ目の窓』(脚本・監督 河瀬直美 )

この記事の所要時間: 254

この記事の所要時間: 約 2分54秒 本作品の主たる舞台となっているのは、九州南方の海上にある奄美大島だ。河瀬監督の先祖のルーツがこの島にあるという。これまで自らの出身地である奈良を舞台にして映画を撮り続けていたのが、本…

「日常と事件をシームレスにつなぐ想像力のありか。」、映画『罪の手ざわり』(ジャ・ジャンクー 監督)

この記事の所要時間: 436

この記事の所要時間: 約 4分36秒 1. 急激な変貌を遂げている現代の中国社会。その中でひたむきに生きる人々が、もがき苦しみながら自死や犯罪の当事者へと追い込まれていく。本作品はその姿を、誰もが足を踏み入れかねないもの…

「スペクタクルから一歩踏み込むドキュメンタリー」、映画『アクト・オブ・キリング』(監督:ジョシュア・オッペンハイマー)

この記事の所要時間: 729

この記事の所要時間: 約 7分29秒 1. ドキュメンタリーとしての価値 このドキュメンタリー映画を観終わってから、最初に考えたことは、この作品が観た人たちにどのような効果を与えるのだろう、ということでした。その効果とし…

「自由と不自由の入れ子細工と後戻りできない飛躍」、映画『アデル、ブルーは熱い色』(脚本・監督:アブデラティフ・ケシシュ)

この記事の所要時間: 38

この記事の所要時間: 約 3分8秒 古今東西において、人の営みというものはそれほど変わるものではない。 本作の中には、社会階層の違いやそれに基づく習慣の違い、同性愛という存在の受容のあり方など、様々な現代的な要素が散りば…

「悲劇が悲劇として存立できない地点としてのアイドル」、映画『5つ数えれば君の夢』(監督・脚本 山戸結希)

この記事の所要時間: 317

この記事の所要時間: 約 3分17秒 この映画を観ることで、もしかしたら「アイドル」という存在へのイメージが更新されるかもしれない。少なくとも、僕の中にあった「アイドル」という概念は更新されたように感じます。しかも、それ…

「思考を継続させることの必要性の前提に立ち返るために」、映画『ハンナ・アーレント』(監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ)

この記事の所要時間: 226

この記事の所要時間: 約 2分26秒 「人間であることを拒否したアイヒマンは、人間の大切な質を放棄しました、それは思考する能力です。その結果、モラルまで判断不能となりました。思考ができなくなると、平凡な人間が残酷行為に走…

「日本とインドの高度経済成長期における楽観性の共通点と差異。」、映画『きっと、うまくいく』(ラージクマール・ヒラーニ 監督)

この記事の所要時間: 24

この記事の所要時間: 約 2分4秒 本作品はインド工科大学ボンベイ校がモデルとなっていると思われる理系エリート大学の学生寮で出会った、ランチョー、ファラン、ラジューの3人を中心に描いた物語だ。学生時代の様々なエピソードと…

「日本のサブカルチャーへの逆輸入とその理由」、映画「めめめのくらげ」(村上 隆 監督)

この記事の所要時間: 359

この記事の所要時間: 約 3分59秒 日本のサブカルチャーを西洋のアートシーンのコンテクストに翻訳することで、世界的なアーティストとなった村上隆氏の初監督映画。本作品は、今まで村上氏が意識してきた受容者、つまり現代アート…

「まどまぎ×スピリチュアルカルチャー」(評者:エリ・コヤマダ)

この記事の所要時間: 716

この記事の所要時間: 約 7分16秒  当初たいした興味もなく、友人に誘われるがまま観に行ったまどまぎ映画版が大変面白かった。まどまぎが面白いことはとりあえず置いておいて、個人的にまどまぎと今流行りのスピリチュアル系の文…

「これは紛れもなく『学園ドラマ』である。」、映画「桐島、部活やめるってよ」(原作・朝井リョウ/監督・吉田大八)

この記事の所要時間: 439

この記事の所要時間: 約 4分39秒  やっと、この映画を観た。DVDのレンタルでだけれども。そして、Twitterとかでそれなりに評判が良かったから期待して観たんだけれども、僕はあまり目新しい発見をすることができなかっ…

「字幕まであなたのもの」、映画『ヴァンパイア』(岩井 俊二 監督) 評者:金藤みなみ

この記事の所要時間: 256

この記事の所要時間: 約 2分56秒 フェティッシズムにあふれるこの映画の中で、一つレビューするとすれば、字幕についてだ。 本来、字幕はいつも翻訳者を困らせる。困らせるためにあると言っても良い。決められた範囲の字幕の居場…

「人間は、役者をもってなお〈タイガー・リリィ〉にはなりきれないのかもしれない。」、『へルタースケルター』(岡崎 京子 著) 評者:慶野 結香

この記事の所要時間: 259

この記事の所要時間: 約 2分59秒  爪にコンプレックスがある。  マニュキアを塗っても、爪が弱く柔らかいため、すぐ取れてしまう。伸ばそうとしても、いつも途中で折れるか、表面が剥がれてしまう。もし、私が「りりこ」のよう…

「世界を肯定する手法」、『おおかみこどもの雨と雪』(細田守 監督)

この記事の所要時間: 430

この記事の所要時間: 約 4分30秒 1.バラバラからの回復  上映が始まってからすぐ、主人公・「花」の髪が風に揺れている様に心を奪われる。目に見えない空気という物質が流動し、登場人物の身体をなでていくそのシーンは、僕た…

「自分で決めて、自分で壊す。」、『へルタースケルター』(岡崎 京子 著) 評者:エリ・コヤマダ

この記事の所要時間: 443

この記事の所要時間: 約 4分43秒  私自身とにかく「ゼロ世代」の文化というものが苦手で(特にゼロ世代の小説、現代アートなんかは如実に嫌悪感を感じる体質。作品に寄りますが)、なんで苦手かというととにかく理屈が先行してい…

「生きている自分に酔っていたいのだ。できれば永遠に。」、『へルタースケルター』(岡崎 京子 著) 評者:もも

この記事の所要時間: 30

この記事の所要時間: 約 3分0秒  女の虚無感ほど、救いようのないものはない。どれだけ美しく着飾っても、周りからチヤホヤされ、贅沢な暮らしをしても、好きなだけセックスしても、自分がブラックホールになったように、満たされ…