「何もしない時間の贅沢を考える」、『「4分33秒」論』(佐々木敦 著)

この記事の所要時間: 258

この記事の所要時間: 約 2分58秒 ある作品について語る時、そこには語り手の好みや観点が少なからず露呈するものだ。たとえどんなにその「主観」を抑制しようとしても、自己という一点を全く消し去ることは、語りという行為の構造…

「何故、私たちはその音楽に惹かれるのか」、『オルタナティブロックの社会学』(南田勝也 著)

この記事の所要時間: 440

この記事の所要時間: 約 4分40秒 1. 「ロックは死んだ」という言葉が意味をなすようなロックは死んだ。そして、だからこそ音楽としてのロックは生き長らえている。 (p.6) 旧来のロックという音楽によって担われていた諸…

「インターネットとデジタル工作機の融合が可能にする世界」、『SFを実現する』(田中浩也 著)

この記事の所要時間: 420

この記事の所要時間: 約 4分20秒 1. 「SF」のイメージをハッキングする タイトルにある「SF」という言葉は、一般的には「サイエンス・フィクション」という意味を想起させるのではないでしょうか。けれども本書では、この…

「いつか子どもだったはずのすべての大人たちへ」、『宮崎駿論』(杉田俊介 著)

この記事の所要時間: 623

この記事の所要時間: 約 6分23秒 1. 現在、アニメーション作家・宮崎駿、そしてスタジオジブリが生み出す作品たちは、多くの人びとにとって共通言語のようなものとして流通している。既存の作品たちだけでなく、新作が発表され…

「別の価値を持つ場所を繋ぎ合わせて、豊かな生活をつくる。」、『フルサトをつくる』(伊藤洋志 × pha 著)

この記事の所要時間: 347

この記事の所要時間: 約 3分47秒 当たり前のことであるが、「故郷」(ふるさと)という言葉は「生まれ育った土地」のことを指す。けれども、本書では「フルサト」とカタカナ表示にすることで、その「故郷」の中にある機能を指す言…

「現在の情報環境の中で成熟する地に足の着いた若者文化。」、『一〇年代文化論』(さやわか 著)

この記事の所要時間: 511

この記事の所要時間: 約 5分11秒 本書では、「残念」という言葉の持つニュアンスが、近年、変化してきていることに注目している。著者はその「残念」という言葉をコアにして、現在の日本がどういう状況なのかを理解しようと試みて…

「複雑なものが複雑なまま、抜き身のまま露呈するジャンルとしてのインディーズ。」、『遊びつかれた朝に』(磯部涼,九龍ジョー 著)

この記事の所要時間: 251

この記事の所要時間: 約 2分51秒 音楽もそうだし文学もそうだが、その楽しみ方は多様であっていい。その楽しみ方のスタイルとしてすぐに頭に浮かぶのは2つの方向性がある。 1つは、そのジャンルの中でどのように位置付けられる…

「タモリを語ることの豊かさ、その入り口として」、『タモリ論』(樋口毅宏 著)

この記事の所要時間: 240

この記事の所要時間: 約 2分40秒 タモリの凄さについて「よくわからない」という「タモリ不感症」の人たちも、いつか必ず、タモリの圧倒的なスケール、達人ぶり、その絶望の深さを知るときがきます。 僕はそれを「タモリブレイク…

「自己啓発と現代哲学、その二つの間をつなぐもの」、『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著)

この記事の所要時間: 554

この記事の所要時間: 約 5分54秒 1. アドラーと自己啓発 本書は自己啓発の源流にあるアルフレッド・アドラーの個人心理学の全体像を、青年と哲人の対話という形式で描き出している。 もしかしたら、自己啓発という言葉を聞い…

「新しい合意形成のルールに則り、日本が世界をリードするために。」、『日本がアメリカに勝つ方法』(倉本圭造 著)

この記事の所要時間: 54

この記事の所要時間: 約 5分4秒 まずこの引用から始めたい。 戦争時代に近隣諸国において悲劇的なことを起こしてしまった被害者の人たちに対する反省を本当に貫き通すためにも、そして靖国に眠られている英霊たちが「この世界全体…

「東京を目指す全ての地方出身者のために」、『戦略的上京論』(長谷川高 著)

この記事の所要時間: 136

この記事の所要時間: 約 1分36秒 僕は地方出身者が好きだ。なんでかというと、まず自分自身がそうだからなのだが、それだけでもない。彼らの中にある種のレイヤー構造をみてとることができるからだ。生まれ育った土地と都会での生…

「『第三の場』としての居酒屋文化のポテンシャル」、『日本の居酒屋文化』(マイク・モラスキー 著)

この記事の所要時間: 34

この記事の所要時間: 約 3分4秒 著者のマイク・モラスキー氏は、アメリカ出身で日本在住の研究者だ。研究テーマは、日本の戦後文化や音楽文化論、東京論などを通して、現代日本社会を捉えなおすことであるという。現在、早稲田大学…

「グローバル化と民主主義の両立不可能に抗うために」、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(宮台真司 著)

この記事の所要時間: 66

この記事の所要時間: 約 6分6秒 私たちはどこから来たのか 「私たちはどこへ行けるのか/行くべきなのか」。この問いに答えることが本書執筆の目的である、と著者は言う。そして、そのために「私たちはどこから来たのか」を主題と…

「生物学的加齢と社会的加齢のバランスをアップデートするために」、『「若作りうつ」社会』(熊代亨 著)

この記事の所要時間: 333

この記事の所要時間: 約 3分33秒 「身体は着実に年を取り衰えていくのに、人生の老成の仕方がわからない。」 本書は、そのような苦悩のあり方を「若作りうつ」と名付け、その原因となっている社会的背景を分析し、そのひとつの処…

「危機の時代にメディアとして生き残るための戦略」、『ヴァティカンの正体』(岩渕潤子 著)

この記事の所要時間: 222

この記事の所要時間: 約 2分22秒 カトリック教会の総本山であるヴァティカン(バチカン)は、イタリアの首都ローマ市内にある都市国家だ。その名前の由来は、元々の地名であった「ウァティカヌスの丘」 (Mons Vatica…

「新しい保守層から未来の姿を予測する」、『ヤンキー経済』(原田曜平 著)

この記事の所要時間: 354

この記事の所要時間: 約 3分54秒 「マイルドヤンキー」の経済活動 著者の原田曜平さんは博報堂ブランドデザイン若者研究所のリーダーで、若者の消費行動やライフスタイルの研究とマーケティングを行っている方。本書はその若者研…

「快楽と思索を繋ぎ合わせる手法を多様化するために」、『ポストドラマ時代の創造力』(監修:藤井慎太郎、編集:F/Tユニバーシティ)

この記事の所要時間: 37

この記事の所要時間: 約 3分7秒 喜びや楽しさを感じることと思索することを如何にして結び付けるのか。それは今の日本社会において、重要なテーマのひとつなのではないでしょうか。 なぜならば、思索することを面倒くさいと考える…