「届かなかったはずの声と再会するレッスン」、『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ 著)

この記事の所要時間: 28

この記事の所要時間: 約 2分8秒 自らの生い立ちや体験に、言葉というかたちを与えることは難しい。それがトラウマと密接に関係していれば尚更で、それゆえ、日常生活でそんな言葉たちに出会うことはそう多くない。この困難さは、向…

「ルーツから生まれる旅とその記録」、『越えていく人 南米、日系の若者たちをたずねて』(神里雄大 著)

この記事の所要時間: 135

この記事の所要時間: 約 1分35秒 日系移民と聞いて思い出すのは、ずいぶん前にオーストラリアのバイロンベイという町のゲストハウスで出会った、ブラジルから来たとある旅行者のことだ。そこにいた日本人の旅行者たちの輪の中には…

推すことの喜びと痛み、その切実さについて」、『推し、燃ゆ』(宇佐見りん 著)

この記事の所要時間: 153

この記事の所要時間: 約 1分53秒 人生に決められた意味などないことは、多くの人たちが生きていくなかで悟っていく。むしろ意味を与えていく過程が人生ともいえるわけだが、それでも、人が意味を求める生き物であることには変わり…

「自然と文化をシームレスにつなぐ進化とフィクション」、『ヒトの目、驚異の進化』(マーク・チャンギージー 著)

この記事の所要時間: 211

この記事の所要時間: 約 2分11秒 1. ヒトの視覚進化と肌の色の関係 ヒトの持つ知覚の中でも大きな情報源となっている視覚は、肌の色が持つ情報を深く読み取れるように進化している、というのが本書を読んでいく上でのファース…

「料理して食べるということ」、『cook』(坂口恭平 著)

この記事の所要時間: 214

この記事の所要時間: 約 2分14秒  各地を転々と旅しているとき、それぞれの場所での滞在期間はそれほど長くないし、現地の会社との取引もほとんどないデジタルノマドだったので、現地での人間関係はそれほど深められない、という…

「出来事化する演劇、あるいは神の住まう場所について」、『目と手/Occhi e Mani』(大道寺梨乃/福留麻里)

この記事の所要時間: 1117

この記事の所要時間: 約 11分17秒 「目と手/わたしとあなた/二重人格と恐竜の歯/動物の鳴き声とピアノ/拳を握ると戦うことができ、ほどくと甘えることができる/夜と昼/眠ることと起きていること/左目と左手/脳ミソからで…

「AI研究の歴史と現状、そして未来をシンプルに概略化」、『人工知能は人間を超えるか』(松尾豊 著)

この記事の所要時間: 246

この記事の所要時間: 約 2分46秒 世の中に溢れている人工知能(AI)をめぐる情報は、正確に把握されたものではないからこそ、根拠のはっきりとしない期待や不安に満ちている。隠されたものが隠されているが故に、無限の創造力を…

「ヨーロッパの普遍的なものの衰退と限界について」、『21世紀の自由論』(佐々木俊尚 著)

この記事の所要時間: 330

この記事の所要時間: 約 3分30秒 本書で前提になっている認識のひとつは、私たちが現在、世界システムの長きに渡る移行期の中で暮らしているということだ。もちろん、そのことに異論を挟む人は少ないだろう。各国家間の経済や軍事…

「2つの問いが交差する場所で」、『持たない幸福論』(pha 著)

この記事の所要時間: 231

この記事の所要時間: 約 2分31秒 人間の行動を形作る価値観や、それに基づく習慣の総体としてのライフスタイルは、時代や場所による環境によって変化するものだということに、異論を唱えるものは少ないだろう。例えば、経済や政治…

「母国語を外国語のように書き、どこにいても異邦人のようであること」、『ニッポン発見記』(池上紀 著)

この記事の所要時間: 145

この記事の所要時間: 約 1分45秒 母国語をまるで外国語のように書くこと。私が「文学」というものの特性を考えた時、それはとても重要なエッセンスとなる。しかし、それは「小説」などの特定のジャンルに拘束されることのないもの…

「そのようにしか生きることのできない人々の姿が映し出すもの」、『「生き場」を探す日本人』(下川裕治 著)

この記事の所要時間: 134

この記事の所要時間: 約 1分34秒 「ここじゃないどこかへ」。 なんて言葉が孕んでいる感情は、すでにレトロで懐古主義な印象すら人々に与える。それは、「いまここ」や「マインドフルネス」といった思考傾向が、現代の日本が行き…