「現在進行形で紡ぎ出される古典の香り」、『現実脱出論』(坂口恭平 著)

この記事の所要時間: 453

この記事の所要時間: 約 4分53秒 1. 坂口恭平さんの本からは、新しいのに古典の香りがする。古典とは、その著者が生きた時代に限定されずに輝きを放つものだ。坂口さんが触れようとしているのは、そのようなものなのではないだ…

「何故、私たちはその音楽に惹かれるのか」、『オルタナティブロックの社会学』(南田勝也 著)

この記事の所要時間: 441

この記事の所要時間: 約 4分41秒 1. 「ロックは死んだ」という言葉が意味をなすようなロックは死んだ。そして、だからこそ音楽としてのロックは生き長らえている。 (p.6) 旧来のロックという音楽によって担われていた諸…

「インターネットとデジタル工作機の融合が可能にする世界」、『SFを実現する』(田中浩也 著)

この記事の所要時間: 420

この記事の所要時間: 約 4分20秒 1. 「SF」のイメージをハッキングする タイトルにある「SF」という言葉は、一般的には「サイエンス・フィクション」という意味を想起させるのではないでしょうか。けれども本書では、この…

「別の価値を持つ場所を繋ぎ合わせて、豊かな生活をつくる。」、『フルサトをつくる』(伊藤洋志 × pha 著)

この記事の所要時間: 347

この記事の所要時間: 約 3分47秒 当たり前のことであるが、「故郷」(ふるさと)という言葉は「生まれ育った土地」のことを指す。けれども、本書では「フルサト」とカタカナ表示にすることで、その「故郷」の中にある機能を指す言…

「様々な境界線を突破し、幸せとは何かを問う眼差し」、『世界「比較貧困学」入門』(石井光太 著)

この記事の所要時間: 440

この記事の所要時間: 約 4分40秒 1. 日本は世界第3位の「相対貧困」大国 本書の目的のひとつは、日本の「貧困」がいかなる特徴を持つのかを浮き彫りにすること。そのために、世界の「貧困」との比較がなされています。 けれ…

「タモリを語ることの豊かさ、その入り口として」、『タモリ論』(樋口毅宏 著)

この記事の所要時間: 240

この記事の所要時間: 約 2分40秒 タモリの凄さについて「よくわからない」という「タモリ不感症」の人たちも、いつか必ず、タモリの圧倒的なスケール、達人ぶり、その絶望の深さを知るときがきます。 僕はそれを「タモリブレイク…

「自己啓発と現代哲学、その二つの間をつなぐもの」、『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著)

この記事の所要時間: 554

この記事の所要時間: 約 5分54秒 1. アドラーと自己啓発 本書は自己啓発の源流にあるアルフレッド・アドラーの個人心理学の全体像を、青年と哲人の対話という形式で描き出している。 もしかしたら、自己啓発という言葉を聞い…

「東京を目指す全ての地方出身者のために」、『戦略的上京論』(長谷川高 著)

この記事の所要時間: 136

この記事の所要時間: 約 1分36秒 僕は地方出身者が好きだ。なんでかというと、まず自分自身がそうだからなのだが、それだけでもない。彼らの中にある種のレイヤー構造をみてとることができるからだ。生まれ育った土地と都会での生…

「『第三の場』としての居酒屋文化のポテンシャル」、『日本の居酒屋文化』(マイク・モラスキー 著)

この記事の所要時間: 34

この記事の所要時間: 約 3分4秒 著者のマイク・モラスキー氏は、アメリカ出身で日本在住の研究者だ。研究テーマは、日本の戦後文化や音楽文化論、東京論などを通して、現代日本社会を捉えなおすことであるという。現在、早稲田大学…

「グローバル化した政治と日本の現状と未来について」、『国際メディア情報戦』(高木徹 著)

この記事の所要時間: 355

この記事の所要時間: 約 3分55秒 グローバル化する政治活動 今の日本は国際世論というものを、過小評価しているのかもしれない。 経済活動においては、日本の労働市場や商品流通の現場をみれば、グローバル化している現状を確認…

「危機の時代にメディアとして生き残るための戦略」、『ヴァティカンの正体』(岩渕潤子 著)

この記事の所要時間: 223

この記事の所要時間: 約 2分23秒 カトリック教会の総本山であるヴァティカン(バチカン)は、イタリアの首都ローマ市内にある都市国家だ。その名前の由来は、元々の地名であった「ウァティカヌスの丘」 (Mons Vatica…

「新しい保守層から未来の姿を予測する」、『ヤンキー経済』(原田曜平 著)

この記事の所要時間: 354

この記事の所要時間: 約 3分54秒 「マイルドヤンキー」の経済活動 著者の原田曜平さんは博報堂ブランドデザイン若者研究所のリーダーで、若者の消費行動やライフスタイルの研究とマーケティングを行っている方。本書はその若者研…

「地方分権を巡る議論の大まかな概略を確認するために」、『道州制で日本はこう変わる』(田村秀 著)

この記事の所要時間: 338

この記事の所要時間: 約 3分38秒 都心部にいるとまだあまり実感はないかもしれませんが、現在、日本は確実に人口の減少傾向へと転じています。 日本は高度成長期に、子どもと高齢者の数に比べて働く世代の割合が多くなるという「…

「被災の地で文化の芽を育てていくことの切実さと可能性」、『走れ!移動図書館』(鎌倉幸子 著)

この記事の所要時間: 32

この記事の所要時間: 約 3分2秒 著者の鎌倉さんは、現在、東日本大震災図書館事業のアドバイザーで、シャンティ国際ボランティア会(以下、シャンティ)で広報課長をされている方。本書は、そのシャンティが行う「走れ東北ー移動図…

「本屋をプラットフォームに新たな生態系をつくる」、『本の逆襲』(内沼晋太郎 著)

この記事の所要時間: 227

この記事の所要時間: 約 2分27秒 「出版業界の未来と本の未来は同じではない」、というのが本書での主張のひとつだ。確かに、紙媒体であることを前提とした書籍は売り上げが減少していたり、インターネットや電子書籍などの登場な…

「世界の豊かさを引き出すノンフィクション」、『世界の美しさをひとつでも多く見つけたい』(石井光太 著)

この記事の所要時間: 38

この記事の所要時間: 約 3分8秒 小説や映画などのジャンルで、フィクションとノンフィクションの違いについて議論されることがある。その論調の多くは「両者の間にある境界線は一般的に思われている以上に曖昧である」、というもの…

「多宇宙ヴィジョンの発見と人間原理の台頭」、『宇宙はなぜこのような宇宙なのか ー 人間原理と宇宙論 ー』(青木薫 著)

この記事の所要時間: 159

この記事の所要時間: 約 1分59秒 「基本粒子の質量や電荷やその他もろもろの物理定数は、なぜその値になっているのだろうか?」 物理学者はながらくこの問いの解答はひとつであると考えていた。つまり、「宇宙は、ある必然性があ…