「文学らしい真っ当な〈汚れ〉」、『神様 2011』(川上弘美 著) 評者:赤木智弘

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この記事の所要時間: 約 2分55秒  神様2011には「全く同じ」2つの物語が収録されている。  やたら他人に気を利かせる「くま」と「わたし」が、全く同じように散歩をする話だ。  「くま」という異物が、日常の中に入り込…

「ただ透明なテクノロジーだけが背後にぺたり、貼り付けられている」、『神様 2011』(川上弘美 著) 評者:時沢潤一

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この記事の所要時間: 約 2分42秒  川上弘美の書く文章は簡潔でリズム感がある。村上春樹の書くそれよりも更に簡潔で、だから読み手は行間を埋めるように想像力や感受性が試される。そのスタイルが発揮された作品のひとつが『神様…

「かみさまは冷たくも優しくもない」、『神様 2011』(川上弘美 著) 評者:北原しずく

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この記事の所要時間: 約 2分34秒  不安に晒されながら、それを当たり前のように覚悟し、いつか死ぬことを忘れて、素足に当たる太陽の暖かさ、通りすがる人の無神経さ、どこまでも変わっていってしまえる風景と、それに混じり溶け…

「終わらない〈日常〉と〈非日常〉、 二つの日常を散歩する」、『神様 2011』(川上弘美 著) 評者:中川康雄

この記事の所要時間: 245

この記事の所要時間: 約 2分45秒  「日常」と「非日常」との間に境界線を引くとしたら、判断基準のひとつとして環境への適応度合いを挙げることができるだろう。けれども、その基準で線を描こうとした時、その精度にこだわればこ…